青空文庫から。またまた太宰さんです。今回は軽い物を。

 瘤取りじいさん、浦島太郎、カチカチ山、舌切雀を取り上げ、それぞれに太宰風アレンジを加え、そしてその話に対する印象を述べている、なんだかシュールな短編群です。

 まず、瘤取りじいさんには、瘤を二つ付けられてしまうじいさんが出てきますが、確かに太宰の言うとおり、彼はたいして悪い事はしていません。だけど結果ああなってしまう。
 これに太宰は「性格の悲喜劇といふものです。人間生活の底には、いつも、この問題が流れてゐます。」

 浦島太郎に関しては「三百歳になつたのは、浦島にとつて、決して不幸ではなかつたのだ。」「年月は、人間の救ひである。忘却は、人間の救ひである。「日本のお伽噺には、このやうな深い慈悲がある。」

 カチカチ山では「カチカチ山の物語に於ける兎は少女、さうしてあの惨めな敗北を喫する狸は、その兎の少女を恋してゐる醜男。これはもう疑ひを容れぬ儼然たる事実のやうに私には思はれる。」「女性にはすべて、この無慈悲な兎が一匹住んでゐるし、男性には、あの善良な狸がいつも溺れかかつてあがいてゐる。作者の、それこそ三十何年来の、頗る不振の経歴に徴して見ても、それは明々白々であつた。おそらくは、また、君に於いても。後略。」

 最後の舌切雀もシュールにおわりますよ。

 みんな今まで聞いてきたお話とは少し違う、ちょっと可笑しいお話達。

 そして、もともとのお話を忘れた方は、ネットか何かで調べてみてください。
 それぞれの話自体、結構残酷だったりしますよ。

 まあ皆様、気楽に御一読を。

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