新正体法入門


副題に、
「一瞬でゆがみが取れる矯正の方程式」とあり、

帯には
「3ステップで正しい体にリセット!
その日のゆがみは、その日のうちに自力で即効解消!」
とあります。

実はこの新正体法(しんせいたいほう)と言うものを知らなかったので、
気になって読んでみたのです。


一日使った体をその日のうちに数分ケアして、ゆがみを取っておけば、
後々こじれないよと言うのがこの方法の考え方。

確かに体のどこかが痛くなった場合というのは、
ずっと同じ姿勢でいたとか、同じ動作を繰り返したとかで、
特定の場所に疲労が蓄積していて、そういうときほど体の癖が強く出ているものです。
だから、こまめにリセットしておくというのは重要です。


新正体法の創始者宮本紘吉先生は、あらゆる療術をマスターされた天才だったそうで、
残念ながら44歳の若さでなくなられたそうですが、
自分で診ることが出来る人数は限られているので、
患者さんが自分で行って健康を高められる方法としてこの治療法をつくりだしたそうです。


野口整体の創始者の野口晴哉先生も、自分で健康を維持できないというのは健康とは言えないと、
治療をやめて、後継者を育てたり、自分で行う運動を指導されたりしていたそうですが、
やはり天才的な治療家は考える事が似てくるのでしょうか。


この本でも、体の癖(体癖)のところで野口先生のことに少し触れられています。
野口先生の仰った体癖でも、体癖ごとに運動法がありますが、
自分がどの体癖かというのは一般の人にはわかりづらいと思います。


しかしこの新正体法の場合は、実際に体をちょっと動かしてみて、
やりにくい動きを確かめて、それにあった操法を少しだけ行い、
もう一度動いてみて、操法の前よりも動きやすくなったかを確かめるだけ。

特別な知識も必要なく、誰でも簡単に出来るようなものにとどめてあります。
チャート式になっているので、それに沿って行えばよいのです。


僕もたまたま少しだけ寝違えたような感じが首にあったので、
試しに初めのリセット操法を行ってみました。

操法直後は少しましになったかなと言う程度だったのですが、
一時間後に同様に動かしてみると痛みが半減していました。
緊張していた首の筋肉がゆるんだのでしょう。


行ってみるとPNFというものにも似ています。
緊張している筋肉に力を入れてから脱力すると前よりもゆるむのです。
新正体法ではやりにくい動作に合わせた姿勢をとって、
少しだけ力を入れて、そして脱力します。
違うのは、PNFではその場所に結構な力を入れさせますが、
新正体法ではどれでも脚を持ち上げるだけで、
しかもそんなに力を入れないというところでしょうか。


あくまで体のゆがみリセットということで作られているので、
例えば膝が痛いとか、肩が痛いとか体幹以外の場所の不調や、
強い痛みがあって動作がつらいときには向かないでしょう。


但し、ここには記述はありませんが、
痛みが強くて、やりにくい動作が全くできなかったり、その姿勢がとれないときには、
操体法のように、この操法をやりやすい動作とやりやすい姿勢で行うと、
もしかしたら効果があるんじゃないかなとも思われました。
これはちょっとやってみないとわかりません。

この新正体法は簡単ですが、理論的で面白いので、
まずは本書にあるとおり初めのリセット操法をしばらくやってみます。


あと大したことではありませんが一つ気になったのが、
この本全体的に「カタイ」のです。

まず表題の「新正体法入門」からしてカタイ。
出版社がBABジャパンで、ここの会社は武道系の本とか多く出版されているからだと思いますが、
この表題だと、専門の人かマニアックな人しか手に取らないと思います。
文章も男っぽい。
でも、本来はもっといろんな人に見てもらうと面白いし、特に女性も読んで簡単に出来るものなので、
内容が良いだけにこのままだとちょっともったいないです。


「その日のうちのリセットせいたい」とか「3分でからだのゆがみリセット」
とか、わかりやすい表題にして、文章を女性が読みやすいように少しやわらかくし、
前半部の新正体法に関するやや専門的な記述を省いて、
単純に操法をメインで載せるようにすれば、もっといろんな人にとっつきやすくなると思います。


この本はこの本で良いので、これとは別にもうちょっと女性向けの本を出している出版社から、
もう少し薄くムック本みたいにして、この操法を出せないでしょうかね。



by 横浜元町の整体、カイロプラクティックCura(クーラ)

 
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