この一週間は、お尻が痛いという患者さんが何人かいらしたのが印象的でした。
痛む場所は、お尻でも仙腸関節と言われる場所です。
骨盤は、背骨の真下が仙骨、それが二つの腸骨に挟まれる形で、
三つの骨からなります。
そして仙骨と腸骨のつなぎ目が仙腸関節です。左右二箇所あります。
①2週間前、久しぶりにジョギングをしてから徐々に痛くなって、
この一週間は休めているが痛みが引かないという方。
左右両方のお尻の仙腸関節に痛みがあり、体を後ろに倒すと痛みが強く出ていました。
見た目にもわかるくらいお尻の筋肉が緊張していました。
②2、3週間前に転倒し右膝を打撲して、右膝の痛みが治まってきた頃から、
徐々に右のお尻の仙腸関節部が痛くなり始め、その後左側まで痛くなってきたという方。
整形外科でいろいろ検査してもらったが骨には異常がないと言われたとのことでした。
やはりお尻の筋肉を触ってみると圧痛があり、筋肉が緊張しているのがわかりました。
前屈する姿勢で痛みが出ました。
③妊婦さんで、もうすぐ4ヶ月の方。
3ヶ月に入るころから右のお尻の仙腸関節部が痛くなり始めたそうです。
やはり右のお尻の筋肉にハリがありました。
上のどの症例も、基本的にはお尻の筋肉が非常に緊張してしまったことによる痛みでした。
仙腸関節というのは、上半身の重さが骨盤に乗ってきて、それが左右の脚に分かれていくところの関節で、
結構な力がかかっているため、痛くなりやすい場所ではあります。
①の場合のように急に運動を始めた時には何かと痛いところが現れたりするものです。
腰の反りも強い方でしたので、おそらく普段から腰とお尻をキュッと締めるように力を入れる癖があったのだと推察されました。
走るときには普段よりも力がかかりますので、その疲労が蓄積したのではと思われます。
②の場合は、右膝を打撲したため、その負担をお尻の筋肉がかばって仙腸関節部が痛くなり、
さらにそれをかばうかたちで、左側まで疲労が蓄積して痛くなってきたのだと思われます。
③の場合ですが、妊婦さんはお尻が凝るとおっしゃる方が非常に多いです。
僕の私見ですが、妊娠してお腹が大きくなるにつれ、骨盤も拡がりますが、この時骨盤の骨同士をつなぐ靭帯はゆるみます。
ゆるんだ靭帯の分を周りの筋肉がカバーするので、お尻が凝るのではと思っています。
どの場合も腰椎と骨盤のゆがみを矯正して、お尻の筋肉をよくほぐす必要がありました。
僕の経験からすると、①のように後ろに倒すのが辛い時には、逆に体を丸めるようにして施術し、
②のように前屈が辛い時には体をまっすぐにした状態か、反らせた状態で施術すると効果的なようですが、
それはさておき、①②の場合お尻の筋肉の緊張が痛みの原因になっている側面が大きかったのに対し、
③の場合は骨盤に左右の差が大きく、右の腸骨の癖が強かったのが痛みの原因である側面が大きかったようです。
妊婦さんの場合はやはり通常の状態ではないので、どこかが痛いというのは出やすいですし、
お腹が大きくなるにつれ、痛いところが移動していくことも多いです。
このようにお尻が痛いというのもいろいろあるわけですが、
だいたい基本的にはお尻の筋肉が緊張しているので、
まず自分でできることとすれば、
・温める(蒸しタオルなど)
・ストレッチする(お尻のストレッチにはこちらもご参考にどうぞ)
というのが良いです。
食養では、お尻というのは脳とつながるそうです。
お尻が凝るというのは頭の使いすぎにもよるのでしょうか。
頭は悩みなどで使わず、建設的に楽しいことを考えることに使いましょう!
by 横浜元町の整体、カイロプラクティックCura(クーラ)